まず試験の基本情報を押さえる
公式の2025年版シラバスでは、数学の試験は60分、全48問の選択式問題、満点は100点と定められています。各問には4つの選択肢があり、正解は1つだけです。
この規定を実際の試験のペースに換算すると、3つの数字が出てきます。
- 60分 ÷ 48問 ≈ 1問あたり75秒
- この75秒の間に、問題を読み、何が問われているかを判断し、計算し、4つの選択肢から1つを選び、解答欄に記入する
- つまりこの試験で問われるのは「解けるかどうか」だけでなく、「限られた時間の中で解ける問題をすべて解き切れるかどうか」でもある
重要なポイント:75秒は平均値であり、すべての問題に75秒かけなければならないわけではありません。
平均値の意味はこうです。問題によっては一目見て選べるものもあり、それには20秒しかかからないかもしれません。逆に2回読んでも方針が立たない問題は、3分かけても足りないかもしれません。簡単な問題で節約した時間は、難しい問題のために残しておく必要があります。 たとえば最初の10問の簡単な問題を1問30秒で解いたなら、平均的なペースで解くより約7分半多く節約できます。この数分があれば、後ろの2〜3問の難しい問題に余裕をもって取り組めます。長い問題を見ただけで慌ててしまうこともなくなります。
さらに2つの制約も覚えておきましょう。
- 試験では計算機を使用できません。すべての計算は手計算と概算に頼ります。ですから普段の練習でも計算機に頼らないようにしましょう。そうでなければ、本番で計算が遅くなり、焦ってしまいます。
- 公式サイトにもシラバスにも、1問あたりの配点は公表されておらず、誤答が減点されるかどうかも示されていません。ですから「この問題は何点分だから解くかどうか」で判断してはいけません。どの問題がより「点になる」かは判断できないので、「自分は解けるかどうか」で順番を決めるしかありません。同じように、減点を心配して解ける問題で何度も迷うのもやめましょう。
60分を3つのラウンドに分ける
48問の難易度は均一ではありません。第1問から第48問まで順に解いていくと、第20問あたりで十数分詰まってしまい、後ろにある明らかに解ける問題を見る時間がなくなりがちです。3つのラウンドに分ける狙いは、「問題を探すこと」と「問題を解くこと」を切り離すことにあります。まず解ける問題を見つけ、それから戻って考える必要のある問題に取り組みます。
第1ラウンド:約35分で48問すべてに目を通す
- 一目で解ける問題だけを解き、解いたらすぐに答えを選びます。まず下書きに書いておき、最後にまとめて記入する、ということはしない
- 少し考える必要がある問題に当たったら、いったん飛ばして印をつける
- 飛ばすときに心理的な負担を感じる必要はありません。このラウンドの任務は「解き終えること」ではなく「一通り目を通すこと」であり、全体の中でどの問題が自分のものか、そうでないかを知ることです
- 目標:このラウンドが終わった時点で簡単な問題はすべて得点し、全問に目を通していること
- 途中のチェックポイントを自分で設けてもよいでしょう。たとえば第1ラウンドの半分(約17〜18分)の時点で、24問前後を見終えているはずです。もしこの時点でまだ第10問しか見ていないなら、前のどこかの問題に平均を明らかに超える時間をかけています。すぐにスピードを上げて先へ進みましょう
第2ラウンド:約18分で印をつけた問題に戻る
- 印をつけた順に1問ずつ処理し、最も解けそうなものから取り組む
- 1問ごとにおおよその時間上限を決め、超えたらまた飛ばす
- 上限の決め方:自分が印をつけた問題数を数え、18分をその数で割ります。たとえば12問に印をつけたなら1問あたり約1分半、20問に印をつけたなら1問あたり1分未満になります。この場合は「時間を超えたら諦める」という構えがより一層必要です
- このラウンドが終わった時点で、まだ自信のない問題を除き、すべてに答えがある状態にする
第3ラウンド:約7分で見直し
- すべての難しい問題を解き終えることは目指さず、まず解ける問題で失点しないことを確保する
- 具体的に何を見直すかは、後ろの「最後の数分で何を見直すか」の節を参照
簡単な問題で時間を節約する方法
簡単な問題に使う時間は、実質的に「貯金」です。節約した1秒1秒を難しい問題に回せます。よくある方法は次のとおりです。
- まず選択肢を見てから手を動かす:問題によっては4つの選択肢の違いがはっきりしています(符号が違う、桁の大きさが違う、形が明らかに違うなど)。選択肢を見れば最後まで計算しなくてよいと分かります
- 概算や代入による消去で済むなら、最後まで計算しない:選択肢を問題文に戻して成り立つか確認するほうが、ゼロから方程式を解くより速いことがよくあります
- 1回で正解を取ることを目指し、同じ簡単な問題で何度も検算しない。検算1回は保険ですが、検算3回はすでに解ける問題に難しい問題のための時間を使っていることになります
- 簡単な問題で問題文を2〜3回読み直さない:1回目に読むときに重要な条件(数値、範囲、単位、「正しくない」といった言葉)に印をつけておけば、後で逐字読み直す必要はありません
- 下書きは問題番号ごとに整理して書く。最後の見直しのときに自分の書いたものが読めなくなるのを避けられます。公式サイトの受験案内によると、会場での一斉コンピュータ受験では下書き用紙は試験会場が一律に配布し、試験後に回収されます。自宅でのオンライン受験では、ホワイトボードか透明なファイルケースに入れた白紙のみ使用でき、消せるホワイトボードペンを使い、試験後にその場で消す必要があります。自宅でのオンライン受験をする人は特に注意が必要です。ホワイトボードにはあまり書けないので、問題番号ごとに区切って書き、字をはっきり書くことがより重要になります。できれば事前に同じ道具で一度練習して感覚をつかんでおきましょう。
どれくらい詰まったら飛ばすべきか
- おおよその目安:1問について約1分考えても明確な方針が立たなければ、いったん印をつけて飛ばす
- なぜ1分なのか:1問あたりの平均はわずか75秒です。1問に2分かけても結果が出ないなら、後ろの簡単な問題1〜2問分の時間を前もって使ってしまったのと同じです
- 飛ばした問題番号は下書きに書き留めます。方法は統一し、素早く行います。たとえば「12○」と書いて第12問を飛ばしたことを示し、書いたらすぐ次へ進みます。飛ばした問題の横に長々と方針を書いてはいけません
- もう一つのパターンでも飛ばします。方針は立ったものの計算が非常に遅い場合(たとえば式は正しく立てられたのに解けない場合)です。このときは式を下書きに残しておき、いったん印をつけて、第2ラウンドで戻って続きを計算します
- 飛ばすことは諦めることではありません:まず後ろの簡単な問題の得点を取り、それから戻って処理します
- 注意:1問の難しい問題で詰まることが、後ろの解ける問題を解く時間をなくす最大の原因です
最後の数分で何を見直すか
未記入がないか
- 解答画面で1問ずつ見て、48問すべてに答えを選んだことを確認する
- 特に飛ばした問題がすべて記入済みか確認する。飛ばした問題は「考えたのにクリックし忘れた」ということが最も起きやすいです
印をつけた問題
- 印をつけた問題だけに戻って確認し、最初からやり直さない
- すでに変更した問題には慎重に。明確な理由がなければ変更しない
計算の符号
- 正負の符号、プラス・マイナスの記号、かっこを写し間違えていないか。たとえば移項した後に符号が変わっているか、かっこを外すときにかっこの前のマイナスを各項に分配したか
- 不等式の向き、約分や移項を逆にしていないか。たとえば両辺に同じ負の数を掛けたり割ったりするときは、不等号の向きを逆にする必要があります
- 単位と問題の要求が一致しているか。問われているのは「何分」か「何時間」か、「個数」か「百分率」か
- 問題が問うているのが「正しい」か「正しくない」かをはっきり見る。「以下の中で誤っているものはどれか」と問われているときに、正しい選択肢をうっかり選ばないこと
- 計算機は使えないので、概算や代入によって結果が妥当か素早く検証します。たとえば答えが明らかに0から1の間にあるはずなのに30と出たら、どこかが間違っています。あるいは答えを元の式に戻して、等式が成り立つか確かめます
まず15分で自分のスピードを測ってみる
ここまで読んでも、自分が「速いが間違いが多い」タイプなのか、「遅いが確実」なタイプなのか、まだ分からないかもしれません。
CSCA.PRO の15分間診断で一度測ってみることをおすすめします(24問、約15分)。解きながら自分の所要時間に注意を向け、その結果を見て、3つのラウンドのどこに時間を多く配分するかを決めましょう。
- 簡単な問題で頻繁に時間超過するなら、問題の読み方と計算の習慣を変える必要があります。第1ラウンドに時間を多めに残し、「1分たったら飛ばす」を厳格に実行しましょう
- 速いが間違いが多いなら、見直しにより多くの時間を割く必要があります。第3ラウンドに十分な時間を残しましょう
- 難しい問題で止まりすぎるなら、第2ラウンドにもっと厳しい「時間を超えたら諦める」ルールが必要です
時間配分は暗記するものではなく、練習して身につけるものです。